2007 年 22 巻 4 号 p. 511-514
本研究の目的は,経口摂取が可能な高齢慢性期入院症例101例(男性40例,女性61例,年齢82±11歳)を対象に,FIMに基づく食事自立度と性を要因として,アルブミン等の生化学所見と体重,年齢を二元配置分散分析と多重比較で検討することである。食事自立度では総コレステロール(p<0.01),アルブミン(p<0.001),体重(p<0.005)に有意差を認めた。特にアルブミンは食事自立度の低下に伴い有意(p<0.05)に低値を示したことから,自立度の低い症例への栄養サポートに配慮が必要であることが示唆された。性差では女性は男性に比べ高齢(p<0.005),低アルブミン(p<0.05),低体重(p<0.0001)であり,栄養状態への留意がより必要と考えられる。