理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
座位姿勢の変化が前方リーチ距離と立ち上がり後の立位バランスに及ぼす影響
─健常者での片麻痺擬似姿勢のシミュレーション─
渡部 潤一白石 麻貴田内 秀樹鴻上 繁
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2011 年 26 巻 6 号 p. 743-746

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抄録

〔目的〕健常者において,片麻痺姿勢を擬似的に作り,前方リーチ距離,座位から立位への動作の後,立位バランスにどう影響を及ぼすのか検証した.〔対象〕健常者な男女28名である.〔方法〕座位姿勢は自然条件と脳卒塞条件の2種類実施し,前方リーチ距離と閉眼片脚立位時間を比較検討した.〔結果〕前方リーチ距離,閉眼片脚立位時間ともに自然条件において有意に高値を示していた(p<0.01).〔結語〕片麻痺姿勢をシミュレーションすることで座位バランス,動作後の立位バランスが自然条件より低下するということが示唆された.すなわち,理学療法実施時に姿勢を修正して座位練習を行う重要性が伺われ,立ち上がりや移乗動作を行うにあたり良肢位に誘導することで,より良い動作を獲得できる可能性があることが示唆された.

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© 2011 by the Society of Physical Therapy Science
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