2014 年 29 巻 6 号 p. 877-880
〔目的〕active individual muscle stretching(AID)による筋緊張抑制効果を神経生理学的に明らかにすることとした.〔対象〕健常男子学生40名40肢左脚とした.〔方法〕AIDを施行する条件(AID条件)とストレッチングを施行しない条件(control条件)での,誘発筋電図を用いてH波とM波の最大振幅から算出された最大振幅比(Hmax/Mmax)により,ヒラメ筋の状態を評価し,条件間およびストレッチング前後で比較検討した.〔結果〕条件間の最大振幅比に有意差はみられないが,AID前に比べAID後は,有意な低下が認められた.〔結語〕AIDには脊髄運動細胞の興奮性を抑制する働きがあることが示唆される.