2016 年 31 巻 6 号 p. 795-798
〔目的〕臨床実習中のストレス反応の強さとストレスコーピングの頻度との関連性を検討することとした.〔対象と方法〕理学療法士2養成校の4年生88名とした.臨床実習中のストレス反応とストレスコーピングについて調査し,ストレスの主反応によるコーピングの使用の差異およびストレス反応とストレスコーピングの強さの関係について検討した.〔結果〕ストレスの主反応による肯定評価型および責任受容型のコーピングの使用頻度が有意に高かった.総合ストレス反応とコーピングとの関係について対決型および責任受容型と逃避型との間に有意な正の,計画型および肯定評価型との間に有意な負の相関がみられた.〔結語〕ストレス反応の増加はネガティブなコーピングの使用に正の,ポジティブなコーピングには負の効果を生じさせやすいことが示唆される.