2019 年 34 巻 5 号 p. 683-688
〔目的〕仰臥位,伏臥位,前傾座位が脳性まひ児者の自律神経活動に与える影響を検討した.〔対象と方法〕若年成人11名,脳性まひ児者22名(GMFCSⅠ~Ⅳ群9名,同Ⅴ群13名)が仰臥位,伏臥位,前傾座位を15分ずつ実施,心拍データを記録し自律神経指標(副交感神経指標:logHF,交感神経指標:LF/HF)を算出した.〔結果〕姿勢比較では対照群でLF/HFは前傾座位より伏臥位で低いがⅤ群は自律神経指標で差はなかった.重症度比較では仰臥位でⅤ群は対照群よりlogHFが低くLF/HFが高かった.〔結語〕重症児は姿勢間では自律神経指標に差は認められないが,健常者に比べると仰臥位で自律神経の交感神経活動が高まりやすい可能性が示された.