2019 年 34 巻 6 号 p. 731-734
〔目的〕平地や不安定面での片脚立位にて小殿筋筋活動を比較し小殿筋が股関節の安定性に関与しているかを筋電図学的に検証することである.〔対象と方法〕健常成人13名(男性7名,女性6名)を対象に小殿筋と中殿筋にワイヤ電極を留置し,平地,AIREX®上,BOSE®上で片脚立位を行い小殿筋と中殿筋の評価をした.〔結果〕女性では平地に比べ最も支持面が不安定であるBOSE®上において小殿筋筋活動が増加した.また,BOSE®上では男性に比べ女性で活動量が多かった.〔結語〕女性は男性に比べ臼蓋による骨頭の被覆が少なく,重心線から骨頭中心までの距離も長く不安定である.よって,股関節の安定性を保つために小殿筋の筋活動量が男性よりも高かったと思われる.小殿筋は股関節の安定性に重要な働きをしていることが示唆された.