理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原 著
脳性麻痺痙直型両麻痺・四肢麻痺児に対する上肢選択的筋解離術前後での機能・能力の改善と満足度の関係
高木 健志楠本 泰士津久井 洋平
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2020 年 35 巻 2 号 p. 205-208

詳細
抄録

〔目的〕脳性麻痺児の上肢の治療の一つに,選択的筋解離術がある.本研究では,上肢筋解離術後の機能・能力の改善と満足度の関係を明らかにするためにアンケート調査を行った.〔対象と方法〕アンケートは都内某整形外科病院にて肩・肘・前腕部の筋解離術を受けた265名に送付した.アンケートでは,術後の機能・能力の改善の有無(筋緊張・呼吸機能・粗大運動能力・遊び・ADL)と術後満足度を調査した.各機能・能力の改善の有無と満足・不満足における比率の差を検討した.〔結果〕20名から本研究の取り込み基準を満たした返送を得た.粗大運動・ADLが改善した場合,術後に満足している人数が多いことが明らかとなった.〔結語〕粗大運動・ADL能力は,改善が保護者にもわかりやすく上肢選択的筋解離術術後の満足度と関係していることが示唆された.

著者関連情報
© 2020 by the Society of Physical Therapy Science

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top