2020 年 35 巻 5 号 p. 597-601
〔目的〕地域在住高齢者における4週間の咳嗽力改善プログラムの効果を検証すること.〔対象と方法〕地域在住高齢者34名を対象とし,咳嗽力改善プログラムを行う介入群17名と行わない対照群17名に分けた.介入群には自宅で咳嗽力改善プログラム(ハーフカットポール上背臥位,呼気筋トレーニング,咳嗽力の確認)を週5回以上,4週間実施させた.介入前後に咳嗽力(咳嗽時最大呼気流量)と肺機能,呼吸筋力,胸腹部可動性を測定した.〔結果〕介入群は介入後に咳嗽時最大呼気流量と最大吸気圧が有意に増大した.〔結語〕地域在住高齢者に対する4週間の咳嗽力改善プログラムは咳嗽時最大呼気流量と最大吸気圧の向上に有効である可能性が示された.