2020 年 35 巻 6 号 p. 923-930
〔目的〕進行性核上性麻痺に対し,バランス制御システムを特異的に評価するBalance Evaluation Systems Test(BESTest)を用いて目標設定と介入を実施した.バランス介入の臨床意思決定における示唆を得ることを目的とした.〔対象と方法〕進行性核上性麻痺により易転倒性を認めていた78歳,女性を対象とした.下肢筋力の低下,予測的姿勢制御と反応的姿勢制御というバランス制御システムの低下が活動量と歩行能力低下の原因と考えられ,動作の自立度に応じて課題難易度を調節した介入を実施した.〔結果〕約3週間の介入後,歩行能力の向上を認め自宅復帰に至った.フォローアップでは転倒回数の減少を認めた.〔結語〕臨床意思決定にBESTestを用いることはバランス障害に対する介入を効果的にする可能性が示唆された.