2022 年 37 巻 3 号 p. 355-359
〔目的〕間質性肺炎増悪が胸郭出口症候群発症の要因になった可能性のある症例に対して行った介入が,症状改善をもたらした例を報告する.〔対象と方法〕間質性肺炎により常時0.5 L/分の在宅酸素療法を行っていたが,呼吸困難感と左上肢の疼痛,感覚障害を呈し, 間質性肺炎増悪による経皮的動脈血酸素飽和度低下で入院となった80代女性を対象とし,左斜角筋群ストレッチ,リラクゼーション,胸郭ストレッチなどの呼吸リハビリテーションを中心に介入を行った.〔結果〕その結果,疼痛消失と感覚障害消失がみられた.〔結語〕呼吸機能に着目して行った介入が,間質性肺炎増悪が発症の要因になった可能性のある胸郭出口症候群の症状を緩和にしたことから,呼吸器疾患による胸郭出口症候群発症の可能性が示唆された.