2022 年 37 巻 5 号 p. 511-515
〔目的〕投球障害肩に対する閉鎖運動連鎖トレーニング(CKC ex)と解放運動連鎖トレーニング(OKC ex)の有効性を比較,検討した.〔対象と方法〕投球障害肩と診断された右投げ男性硬式野球選手42症例(投手23例,野手19例)を対象とした.全例に対してCKC exとOKC exを行い,疼痛による施行不可率を調査した.さらに,両方のトレーニングが可能であった19症例を2 群に分け,片方のトレーニング(CKC:10例,OKC:9例)を行わせ,両群間の筋力増強効果を比較した.〔結果〕CKC exはOKC exに比べて実施不可率は有意に低く,筋力増強効果は同等の効果があった.〔結語〕今回のCKC exは,OKC exが実施困難な疼痛の強い急性期から施行可能なcuff-exとして有効であることが示唆された.