2022 年 37 巻 6 号 p. 543-550
〔目的〕本研究では,看護師と療法士の職務習熟度と多職種連携の実態の関係性を明らかにするために,それぞれの臨床実践能力段階と,多職種連携の実態を計測する尺度である日本語版多職種連携協働評価スケール(AITCS-II-J)得点を調査し,これらの関連性を比較検討した.〔対象と方法〕対象は,リハビリテーション専門病院の看護師および療法士部の職員であり,115名が分析対象となった.〔結果〕AITCS-II-J総得点では,ラダー間の有意な差は認められなかったが,質問項目別では,各ラダーにより看護師と療法士部の得点に差が認められた.〔考察〕職種やキャリアラダーの段階に応じて,多職種連携について意識している観点が変わってくることが示唆された.このことから,職種連携の認識促進のための介入時期や,内容を工夫することが必要であると考えられた.