2022 年 37 巻 6 号 p. 557-563
〔目的〕養成校にて臨床実習を現場で行えた理学療法士と,学内実習で代替した理学療法士の臨床能力を比較し,臨床実習の形態の違いが卒後の臨床能力に及ぼす影響を検討した.〔対象と方法〕2020年度に4年制理学療法士養成校を卒業した理学療法士51名を対象として,アンケート調査を実施した.臨床能力は,理学療法における臨床能力評価尺度(CEPT)を使用し測定した.臨床実習を通常通り現地で実習した群を通常実習群,学内実習で代替した群を代替実習群とし,群間比較を行った.〔結果〕CEPT合計点に有意差は認められなかったが,通常実習群と比較し代替実習群の方が,大項目「知識」,「自己教育」において有意に低値を示した.〔結語〕学内実習で代替した理学療法士は,知識,自己教育の臨床能力が低い傾向にあることがわかった.