2023 年 38 巻 1 号 p. 84-89
〔目的〕一閉鎖神経障害例に対する大腿内側部触圧刺激の効果を検証した.〔対象と方法〕65歳男性.前立腺癌術後に閉鎖神経障害を呈し,発症3ヵ月後に当院へ紹介された.左大内転筋の萎縮あり.歩行不安定性と易疲労性を訴えた.無刺激,大腿内側部への弾性テーピング(KT),大腿部加圧装具(POD)の3条件下で左股関節内転筋力測定とTimed Up & Go Testを実施して比較した.〔結果〕両測定において,無刺激条件に比較してKTとPODは測定値が即時的に改善していた.〔結語〕大腿内側部へのKTとPODは本閉鎖神経障害例の運動機能を補う作用が認められた.