理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
アキレス腱損傷者の筋力測定
柴 喜崇渡辺 明浩石森 祐美子大渕 修一
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1992 年 7 巻 2 号 p. 97-102

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抄録
本研究は、アキレス腱損傷後少なくとも1年以上経過した男性アキレス腱患者16名について足関節底屈筋力調査をおこない、患側と健側の間に筋力差があるか確かめることを目的とし筋力測定を行なった。測定にはIsokinetic測定器CybexII+を使用し、等尺性運動にて背屈15度位、中間位、底屈15度位、底屈30度位、等速運動にて30,90,180deg/secの角速度についての底屈筋力を各々測定した。平均筋力においては患側は健側に比して全測定において低い値を示し、健側に対する患側の割合は等尺性運動で75%~88%、等運動性運動で85%~92%にとどまった。しかし個々の症例での比較では健側より患側の筋力が上回る症例もみられた。この結果はアキレス腱断裂者の術後の運動処方如何によっては患側の筋力低下を最小限にとどめる可能性があることを示唆していると考える。
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© 理学療法科学学会
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