抄録
外来通院中の片麻痺患者8例を対象にphysiological cost index (PCI)を指標として運動習慣による経時的変化について検討した。結果:(1)片麻痺群の初回PCI値は通常歩行0.57±0.31,最大歩行が0.73±0.38であり両歩行条件とも健常群より有意な高値を示した(p<0.01)。(2)1日2回15分以上の屋外歩行を7カ月励行させた後のPCI値は初回より通常歩行19.3%,最大歩行27.4%の減少がみられた。以上の結果,片麻痺群では歩行のエネルギー効率の指標であるPCI値が7カ月後に20~30%減少したことから,運動習慣により歩行の円滑性が高められたことが示唆された。