陸水学雑誌
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高須賀沼堆泥化学組成の垂直変化と堆泥成分の湖水への回帰の問題
菅原 健
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1935 年 5 巻 2 号 p. 46-56

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抄録

1) 高須賀沼堆泥の化學組成の垂直變化を定め主要域分の上暦の移行率を定めた。
2) 之によつて堆泥が湖沼め榮養源として樞要の位置を占むることを數量的に結論した。
3) カルシウム・鐵及びマンガンの湖水水分の溶存量と堆泥中の比率を比較してそれらの間の關係を論じた。
4) 堆泥表暦に接した水中に於ける鐵及びマンガン量の観測値を基礎にしてMnO(OH)2沈澱の湖水への回歸率がFe(OH)3それより大なることを論じた。
5) 沈積物中の域分の湖水への回歸の問題は之を堆泥表層と内部と各別に考究するの必要なる理由を示した。
6) 堆泥の沈積量に就て述べた。
終り臨み本研究は國學士院の昭和9年度研究費補助によつてしたもので其の點深く感謝すね次第である。尚又上の炭水素の分析には化學研究所古川周氏の助力を仰いだことを銘記し茲に深謝する。

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