陸水学雑誌
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ユルミリム(Jurumirim)貯水池における酸素欠乏(Paranapanema川,サン・バウロ,ブラジル)
Raoul HENRY
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1992 年 53 巻 4 号 p. 379-384

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抄録
ユルミリム貯水池(Jurumirim)の溶存酸素不足量および酸素減少率について1988年の3月より1989年の3月までの調査で得た水温と溶存酸素のデータより推定を行った。10月から3月にかけて水温の成層がみられた。水温躍層は常に水柱の3分の2よりも深いところに見られた。水温が成層している問,酸素は急激に変化した。1年を通して,水深20mまでは酸素は十分供給された。水底(水深5m)では水温成層期に溶存酸素が著しく減少した。したがって,酸素不足の程度は底の方が高かった。溶存酸素総不足量および酸素減少率はそれぞれ0.03から0.72mg・cm-2と0.013から0.032mg・cm-2・day-1の間で変動した。透明度やクロロフィルaのような他の水質の指標からユルミリム貯水池は貧栄養段階に分類されることが明らかとなった。
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