抄録
1. 千葉市西北下總臺地にある110の井戸により地下水の研究をした。
2. 地下水位は本水では2~10m,中水は8~13で共に南に向ひ傾斜するが,京成電車の線路附近に共に地下水の谷がある。
3. 中水はローム層の下にある簿い粘土層に本水は砂層中に湛水し本水の帶水層は深い所にあるので明かでない。中水又は本水位が京成電車線路附近で谷形をなすのは粘土層の彎曲を意味する。
4. 本水の水温は13~15°,中水は12~14℃である。
5. 地下水のpHは6.2~7.0で小變化があるが原因は明かでない。
6. 電氣傳導度,重炭酸鹽含有量は臺地の南縁に於て著しく大きい。
7. アンモニアは殆ど含まれてゐない。
8. 飮料水としては良質であるが,人口の増加に伴ひ早晩供給不足にならう。
地表景觀,居住,震害等との關係は近く別紙で詳論する積りであるから,本文には全く省略した。