陸水学雑誌
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宍道湖におけるコツブムシ科3種の分布と塩分濃度
福原 晴夫岡田 晃木村 直哉
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2000 年 61 巻 2 号 p. 155-160

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抄録

貧・中鹹性の海跡湖である島根県・宍道湖において,1996年5月にコップムシ科3種,ハバヒロコツブムシChitonosphaera lata,チョウセンコップムシGnorimosphaeroma naktongense,キスイコツブムシG. chinenseの分布調査を行った。電気伝導度は,大橋川が流出する東岸の7~8mScm-1から斐伊川が流入する西岸の1~3mScm-1と低くなる傾向がが認められた。ハバヒロコッブムシは電気伝導度が高い汽水域での相対頻度が高く,電気伝導度が6mS cm-1以上の地点での相対頻度は50%を越えていた。この傾向とは逆にチョウセンコップムシは,電気伝導度の低い淡水に近い地点での相対頻度が高くなっており,電気伝導度が5mS cm-1以下で相対頻度は50%を越えていた。キスイコツブムシの相対頻度は電気伝導度が6mS cm-1前後の地点で最も高く,他の2種の中間での電気伝導度で相対頻度が高かった。

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