PCRより得られた3種の供試純粋菌株の16SrDNA断片を鋳型DNAとして用いて,微生物群集の構成相の評価法としてのDGGEプロファイリング有効性について検討した。PCRのサイクル数が30回の条件の下,エチジウムブロマイド染色によるPCR-DGGE分析により,DGGEバンドを検出するための鋳型DNAのコピー数はPCR溶液(100μL)中に104から105オーダーであった。同一オーダーにおける2種および3種の微生物間のDNA断片の存在比に対する蛍光強度比の変動性を検討した。鋳型DNAの存在比と蛍光強度比の差を小さくするためには,100μLのPCR反応系において105オーダーのコピー数が最適であった。異なるオーダーでの2種および3種の微生物間の存在比の変動性を検討した。一方の鋳型DNAが86%以上で存在すれば,その鋳型DNAに相当するDGGEバンドが高い蛍光強度を呈したバンドとして検出でき,鋳型DNAの存在比と蛍光強度比の差は小さくなるが,鋳型DNAの存在比を正確な数値として反映することは難しいことが明らかになった。