日本臨床外科医学会雑誌
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下部食道噴門癌の手術成績向上に関する研究
永井 伊津夫
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1978 年 39 巻 1 号 p. 6-19

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抄録
近年下部食道噴門癌の手術は多くの施設で行われる様になり,従つて根治性の追求,手術操作の簡略化,術後合併症の軽減等,手術成績向上への関心は今後ますます高まるものと考える.
我々の教室では下部食道噴門癌の手術成績向上を目的として,
1) 開胸,噴門側切除を積極的に採用し,再建には食物の通過がより生理的で,かつ血行の豊富な大弯側胃管を用いた.
2) 胃管作製にあたり, SUS27クレンメを用いた胃管縫合器(群馬大式)を考案し, SUS27クレンメが材質として優れていることを材質試験で認め,更に雑犬による動物実験でSUS27クレンメを用いた胃管縫合器が止血性もすぐれ,縫合部の治癒状況もすぐれていることを組織学的に確認した.
3) SUS27クレンメを用いた胃管縫合器を臨床応用し,手術操作の簡略化,出血量の減少,手術時間の短縮化,手術野の汚染の防止等をはかつた.
4) 開胸には右後側開胸法を採用し,術後肺機能障害の軽減につとめ,開胸を積極的に行う方針とした.また術後肺機能に関して検索し,右後側開胸を合併した場合も,開腹のみの場合とほとんど差を認めず,右後側開胸法の安全性を認めた.
5) 全身状態不良の場合には,空腸栄養瘻を術中併設し,術後早期栄養補給をはかることにつとめた.
以上の結果,下部食道噴門癌の手術成績向上に役立つ結果を得られたと考える.
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