1966年より1977年までの間の当科に於ける原発性肺癌症例は121例で,開胸率80% (97例),切除率71% (86例)であった.
全肺癌術後5年実測生存率は33%であった. surgical TNM分類での予後は, I期59%, II期52%, III期6%で,手術別での予後は,根治術59%,準根治術16%,一方姑息手術及び試験開胸率には5年生存はなかった.
今回は,現在問題点とされているIII期(n2症例)に対する治療法,小細胞未分化癌に対する手術適応,高齢者肺癌と全摘術,及び早期死亡例等の観点から考察を行い,手術適応及び手術法を厳しく設定し,細心の管理の下に手術療法を施行すれば術後成績は大いに期待できるものと考えられる.