抄録
放射線照射による消化管障害22例の手術を経験した.直接死亡は6例であった.主症状は, 22例中20例がイレウスと穿孔性腹膜炎であり, 18例が回腸の病変に対し手術が施行されており,小腸病変の重要性が示された. 7例に障害腸管の切除と吻合再建が一期的に施行されたが, 3例が縫合不全で死亡している.これらの症例は障害腸管で吻合が行われた可能性が高い.術中の障害腸管の判定は,触診と視診によって行っているのが現状であり,穿孔による腹膜炎の場合,炎症のために健常腸管の境界の判別が困難な時もある.障害腸管での吻合は絶対にさけるべきであるが,判定の困難な場合は人工肛門を造設し,二期的に吻合再建を行うべきである.本症の晩期障害は,血管閉塞による阻血性変化であるので,保存的療法による完全治癒はありえず,出来る限り積極的に,切除吻合を行うことが良好な結果をもたらすと考えられた.