日本臨床外科医学会雑誌
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原発巣摘出6年後,肺内転移を認めたHemangiopericytomaの1例
本田 亮一柳沢 正弘亀谷 寿彦海老原 善郎
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キーワード: 転移性肺腫瘍
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1985 年 46 巻 2 号 p. 221-225

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抄録
Hemangiopericytomaは,毛細血管のpericyteに由来する比較的稀な腫瘍である. 1942年, stout and Murrayにより初めて報告され,当初は良性腫瘍と考えられていたが,症例報告が増えるにつれて,再発転移も多く認められるようになり,悪性腫瘍として取り扱かわれるようになってきた.
症例は, 37歳,女性で血痰および咳嗽を主訴とし,胸部エックス線写真で左下肺野に異常陰影を認めた.生検にて非上皮性悪性腫瘍の病理診断を得た. 6年前に左足関節部軟部組織のHemangiopericytomaの摘出術を受けていることから,本腫瘍の左肺内転移の診断で左肺下葉切除術を施行した.
本症例のようにHemangiopericytomaの初回治療後6年を経て再発を認めたという報告は本邦では少なく,本腫瘍は悪性腫瘍として長期経過観察が必要である.治療は外科的切除が第一であり,放射線療法,化学療法等の単独または併用療法も行なわれている,再発転移巣に対しても,可能な限り外科的切除を行って,よい成績を得た報告もある.切除不能例でも放射線,化学療法等で延命効果を認めた報告もある.しかし,化学療法,放射線療法は補助療法の範囲内であり,積極的に外科療法が行われるべきであると考える.
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