日本臨床外科医学会雑誌
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腎血管筋脂肪腫の1例
平井 隆松波 英寿多羅尾 信原 節雄加藤 俊彦小木曽 和男藤本 佳則堀江 正宜
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1985 年 46 巻 2 号 p. 276-280

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抄録
腎血管筋脂肪腫は比較的珍しい中胚葉性混合腫瘍で,組織学的には脂肪組織,血管,及び平滑筋から構成されている良性腫瘍である.本邦では124例が報告されており,各種画像診断の進歩により年々報告が増えているが,なおまれな腫瘍である.本症には,結節性硬化症に合併する多発傾向のあるものと,合併しない単発性のものの2つの型がある.最近我々は,結節性硬化症を合併しない本症の1例を経験したので報告する.
症例は48歳の女性で,急性心不全状態にて入院し,腹部echoにて偶然左腎上極の腫瘤を発見された. CT,腎シンチ,排泄性腎盂造影,選択的腎動脈造影等の精査の結果,左腎悪性腫瘍を疑い,左腎摘出術を施行した.切除標本の病理学的検査では,豊富な脂肪組織,筋組織,血管組織が混在してみられ,腎血管筋脂肪腫と診断された.
本症の術前診断は,てんかん,知能障害,顔面皮脂腺腫をtriasとする結節性硬化症合併例では比較的容易であるが,非合併例では,腎癌との鑑別が困難である.最近はCTにて本腫瘍の脂肪組織部分のCT値が低値であることから,術前診断のつく症例が増えつつある.
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© 日本臨床外科学会
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