日本臨床外科医学会雑誌
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脂肪乳剤注入法を用いたCT像による胃癌の壁深達度診断
松井 昭彦岡島 邦雄冨士原 彰山田 真一磯崎 博司北村 彰英西 律浜畑 哲造水谷 均久保川 学中田 英二森田 真照
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1986 年 47 巻 9 号 p. 1181-1190

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抄録

55例の胃癌症例に対して,脂肪乳剤注入法を用いたCT像による壁深達度診断を行った.画像上,病巣が描出できない(T(-))と,病巣部の胃壁の伸展性が保たれている(TO)を組織学的深達度粘膜癌(m), 粘膜下層癌(sm)とし,以下,壁硬化はあるが外縁は平滑である(T1)を固有筋層癌(pm), 漿膜下層癌(ss), 壁外縁に不整,けぽ立ち像を認めるもの(T2)を漿膜浸潤癌(se), 腫瘤と他臓器とのが境界消失しているもの(T3)を他臓器浸潤癌(si, sei)に対応させた.その結果これらの所見と深達度の間には相関関係が認められ(p<0.001), また高いsensitivityとspecificityが確認された.本検査法は非侵襲かつ安全に行える検査法であり,胃癌の壁深達度診断を行ううえで,非常に有用なてだてになるものと考えられた.

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