日本臨床外科医学会雑誌
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胃空腸吻合術後に発生した胃癌の2例
黒川 善栄神谷 順一榊原 正典
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キーワード: 胃空腸吻合術, 胃癌
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1987 年 48 巻 2 号 p. 243-247

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抄録
良性疾患において胃空腸吻合術が施行され,長期間経過した後に発生した胃癌の2例を報告する.
症例1は73歳の男性で10年前に十二指腸の憩室炎よりの出血で胃空腸吻合術をうけた.上部消化管造影,内視鏡検査で前庭部の早期癌(Ila)と診断された.
症例2は61歳の男性で21年前に胆嚢炎により胃空腸吻合術をうけた.上部消化管造影,内視鏡検査でスキルス胃癌と診断された.
2症例とも根治切除術が施行でき,病理組織学的に症例1は管状腺癌,症例2は印環細胞癌であった.
胃空腸吻合術後に発生した胃癌の本邦報告例16例に自験例2例を加え文献的考察を行った.
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