日本臨床外科医学会雑誌
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早期胃癌に合併した十二指腸乳頭部腺腫内癌の1例
大和田 進宮本 幸男池谷 俊郎竹下 正昭小堀 哲雄石川 仁古谷 寿一郎棚橋 美文川井 忠和泉雄 勝
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1987 年 48 巻 5 号 p. 666-671

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抄録
胃癌に合併した十二指腸乳頭部腺腫内癌の1例を報告し,乳頭部癌について文献的考察を加えた.症例は59歳の男性で某病院にて胃前庭部にIIc型早期胃癌と診断された患者さんである.術前内視鏡検査で偶然,十二指腸乳頭部に隆起性病変を発見され,生検組織検査ではgroup III,腺腫の診断であった.早期胃癌に合併した十二指腸乳頭部腺腫の診断にて手術を施行した.開腹所見では胃癌はH0P0S0N0, Stage Iで胃切郭清, B-I吻合術施行した.その後,十二指腸切開,乳頭部に乳頭状の腫瘍を認め,乳頭開口部は腫瘍内にあった.乳頭部腺腫の診断にて局所切除,胆管口形成,膵管口形成,胆嚢摘出術を施行した.病理組織検査は胃癌について, tub2, sm, ly0,v0,n1,2 (-)のstage I,乳頭部腫瘍はCancer in adenomaでAmpulla duodeniであった.
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