日本臨床外科医学会雑誌
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消化管平滑筋腫瘍の手術症例5例の経験
高田 泰次藤田 士朗都志見 久令男
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キーワード: 消化管平滑筋腫瘍
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1987 年 48 巻 8 号 p. 1121-1125

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抄録
最近4年間で, 5例の消化管平滑筋腫瘍の手術症例を経験したので報告する.症例は, 69歳女性の胃平滑筋肉腫1例, 81歳男性の胃平滑筋腫1例, 62歳女性と30歳男性の小腸平滑筋腫2例, 18歳女性の下行結腸平滑筋腫1例であった.
全例,管外型発育を示し,腫瘍の中心壊死は胃平滑筋肉腫を含めて3例に,粘膜面の潰瘍形成及び腫瘍との間の瘻孔形成は3例に見られた.
胃平滑筋肉腫の1例は,胃亜全摘術後に, Adriamycinを中心とする化学療法を行ったが,術後7カ月目に心不全のため死亡した.他の平滑筋腫の4例は,術後現在にいたるまで健在であるが,平滑筋腫と病理組織学的に診断された症例が術後数年後に再発死亡したという報告もあり,注意深い経過観察が必要である.
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