日本臨床外科医学会雑誌
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先天性胆道拡張症を伴った膵・胆管合流異常に胆管癌を合併した1例 -胆道拡張形態,合流形式と発癌部位の相関について-
津村 裕昭布袋 裕士村上 義昭中井 志郎角 重信増田 哲彦
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1988 年 49 巻 1 号 p. 93-100

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抄録
46歳,男性の先天性胆道拡張症を伴った,膵胆管合流異常に胆管癌の合併を認めた症例を経験した.合流形式は木村らのいう胆管合流型であった.合流異常を伴った胆道癌の本邦報告例に自験例を含めた134例を,胆道拡張形態と合流形式から, (A) 嚢腫状拡張型, (B) 紡錘状拡張型, (C) 非拡張型,の3型に分類して胆道癌好発部位について検討を加えた.嚢腫状拡張型では発癌部位の73.7%は胆管であり,胆嚢癌が26.3%と少なかったのに対し,紡錘状拡張型では87.8%に,非拡張型では97.3%に胆嚢癌の合併を認めた.
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