抄録
大腸癌における術前血清腫瘍マーカーCEA, CA19-9, TPA, Ferritin, POAの臨床的意義につき検討した.ポリクローナルCEAは142例,モノクローナルCEAは56例で測定したが, stage IVまではモノクローナル値の方が低値で, stage Vのみ高値を示した. CA19-9 (53例)のefficiencyは64%とCEAと同様であったが, stageとの相関はCEAに劣った. TPA (48例)はfalse positiveが37.5%と高く, CEA, CA19-9に比較してefficiencyが劣った. Ferritin (40例)はstage IVまで総て陰性で,陽性例は肝転移に限られた. POA (19例)は陽性率も低く,大腸癌における有用性はみとめられなかった. CEA, CA19-9, TPAの同一血清による測定は49例で行われたが,総てに陽性を示したものは16.3%にすぎず,また, TPAにもこれのみ陽性のものが12.2%あり, combination assayの重要性を強調したい.