日本臨床外科医学会雑誌
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先天性腟欠損症に対しS状結腸を用いた造腟術の経験
庭本 博文大橋 秀一柏谷 充克柴原 浩章大門 美智子伊熊 健一郎
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1988 年 49 巻 8 号 p. 1457-1461

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抄録

症例は18歳未婚女性.無月経を主訴に婦人科受診し,処女膜閉鎖を認めた.腟開口術と腹腟鏡検査にて,腟欠損,卵巣卵管正常形態,双角痕跡子宮を確認し,さらに内分泌細胞遺伝的には正常で, Rokitansky-Küster-Hauser症候群と確定診断を得た.本症例にS状結腸を用い人工造腟術を施行し成功した.
先天性腟欠損症に対して種々の人工造腔術が行われているが,それぞれ長所短所がある.最も重要なことは,永久性があり,できるだけ自然に近い腟を形成することであり,この点からS状結腸を用いた造腟術が理想的であると思われる.

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