日本臨床外科医学会雑誌
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バセドウ病手術症例の臨床病理学的検討
迫裕 孝中根 佳宏沖野 功次西原 和郎江口 豊藤野 光廣松下 美季子小玉 正智
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1989 年 50 巻 11 号 p. 2317-2325

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抄録

バセドウ病手術症例23例を臨床病理学的に検討した.年齢は15歳から55歳で平均29.8±12.1歳であった.手術法として甲状腺腫50gを境に,前頚筋横断の有無を決めているが,甲状腺腫の長径5cm以上は50g以上が81.3%と多かった.残置量は7.7±2.1gであったが,再発が3例,機能低下が1例にみられた.寛解群と再発,機能低下群の間には抗甲状腺抗体,リンパ球浸潤に関して有意差はなかった.リンパ球サブセットをLeuSeriesモノクローナル抗体を用いABC法で検索したが,Leu 3a-, Leu2a-陽性細胞が主で,B細胞は少数,NK/K細胞,単球/マクロファージはほとんどみられなかった.HLADR抗原が,濾胞細胞,活性化T細胞にほとんどの症例でみられた.カルシトニン陽性細胞の増加はなかった.

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