日本臨床外科医学会雑誌
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頬部に発生した腺様嚢胞癌の2例
佐藤 太一郎秋田 幸彦河村 健雄水野 伸一鵜飼 克行太田 淳森岡 淳小川 明男七野 滋彦
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1990 年 51 巻 1 号 p. 64-68

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抄録
腺様嚢胞癌の2例を報告する.
第1例は56歳,女.20年前から頬部に腫瘤があった.腫瘤を切除し,頸部の廓清を行った.頬部の再建は前額部からの側頭皮弁を用いた.腫瘍は3×3×2cmであり,病理組織学的には腺様嚢胞癌cribriformであった.
第2例は62歳,女.1年前から頬部に無痛の腫瘍を認めた.腫瘍を周囲組織と共に切除したが,margine positiveであった.追加切除を勧めたが同意が得られなかったので,やむなくcisplatinを投与した.本症例もcribriformであった.
最近,わが国で報告された頬部の腺様嚢胞癌は5例に過ぎない.この腫瘍の予後は病理組織型に関係し,治療法は注意深い外科的切除が最良であると思われる.
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© 日本臨床外科学会
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