日本臨床外科医学会雑誌
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巨大副腎嚢胞の1治験例
佐々木 明岩藤 浩典後藤 精俊小長 英二間野 正平
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キーワード: 副腎嚢胞, 上皮性嚢胞
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1990 年 51 巻 3 号 p. 594-598

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抄録

副腎嚢胞は比較的稀な疾患である.症例は54歳の男性で主訴は臍部腫瘤であった.腹部単純X線写真,腹部超音波検査,CTスキャン,腹部血管造影にて巨大な後腹膜嚢胞の診断にて手術を施行,嚢胞は後腹膜に位置し肝臓,右腎臓,結腸を圧排していた.嚢胞とこれに連続性に移行する右副腎を一塊にして切除した.病理組織学的診断はFosterらの分類上,上皮性嚢胞であり免疫組織学的にも証明できた.嚢胞内には赤ワイン色の漿液が約3,000ml貯留していた.内容液の成分は生化学的にはほぼ血液成分と一致していたが,cortisol値,aldosterone値は高値を示した.本邦で報告された副腎嚢胞91例のうち上皮性嚢胞は自験例を含めてわずか7例である.

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