日本臨床外科医学会雑誌
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肝硬変を合併した胆石手術症例の検討
大東 誠司菊池 友允熊沢 健一中島 久元大石 俊典成高 義彦大谷 洋一芳賀 駿介小川 健治梶尾 哲郎
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1990 年 51 巻 4 号 p. 655-660

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抄録

1980年より1988年までの過去9年間に当科で経験した,LCを合併した胆石手術症例19例(男性14例,女性5例)について検討し,以下の結論を得た.
1) 結石部位では胆嚢に限局した結石が多く,結石の種類では色素石,特に黒色石が多かった.
2) 胆石症のみを手術目的とした症例11例についてみると,平均手術時間159分,平均出血量597mlであった.これらはLCを合併していない症例と比較すると有意差をもって手術時間も長く,出血量も多かった.
3) 術後経過についてみると,Child Aでは経過良好であったものの,Child Bでは4例中3例に術後黄疸を合併し,Child Cの1例は術後肝不全を併発し死亡した.肝予備能の低下した症例では全身状態および肝機能の改善を待って,待期的に手術を施行することが望ましい.

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