日本臨床外科医学会雑誌
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大腸ポリペクトミー症例の臨床病理学的検討
花立 史香片田 正一森 善裕林 外史英山田 哲司北川 晋中川 正昭
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1990 年 51 巻 5 号 p. 893-897

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抄録

過去8年間に,大腸ポリープにたいして内視鏡的ポリペクトミーを施行した127例,180病変について検討した.ポリープの組織像は,腺管腺腫(66.1%)が最も多く,以下,腺管絨毛腺腫(17.8%),過形成ポリープ(6.7%),腺癌(5.6%)で,多発例は19.0%にみられた.ポリープの大きさと癌化の関係は,1.0cm以上となると癌化率は急に高くなり,1.5cm以上では約半数が癌であった.癌(m, sm)の肉眼性状は,色調変化(発赤),粘膜構造の破壊などが認められたが,良性のものでも,径の増大につれ,粘膜に異常をきたしており,鑑別は困難であった.癌症例では,m癌に対しては1例が局所切除,4例がポリペクトミーで経過観察,sm癌に対しては1例がポリペクトミーのみ,4例が腸切除の適応となったが,全例再発を認めていない.

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