日本臨床外科医学会雑誌
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十二指腸Brunner腺腫を合併し石灰化および骨化巣を有した胃平滑筋肉腫の1例
斎藤 雅之加納 宣康山田 直樹和田 英一松波 英一
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1990 年 51 巻 5 号 p. 980-988

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抄録

十二指腸Brunner腺腫を合併し腫瘍内に石灰化ならびに骨化巣を有した胃平滑筋肉腫の1例を経験した.症例は66歳.男性.腫瘍は胃体上部前壁にあり径120×80×70mmでSkandalakis分類の混合型を示した.石灰化の診断において超音波検査ならびにCT検査が有用であった.組織所見では骨芽細胞に囲まれた層状骨の形成を認めた.本邦における石灰化随伴胃筋原性腫瘍の報告は22例にすぎない.その平均腫瘍径は47mmで大きくはなく,性差では男性:女性が6:14と女性に多いのが注目された.また,石灰化の機序に何んらかの内分泌因子の関与が考えられた.さらに,両腫瘍の発育に未知のhumoral activatorの関与した可能性があると考えられた.

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