日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
腎血行再建術後腎動脈瘤の1手術例
尾崎 直近藤 治郎長井 孝夫松本 昭彦
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 51 巻 7 号 p. 1574-1577

詳細
抄録
腎動脈瘤は高血圧を高頻度に合併するとされている.腎血管性高血圧症の血行再建術後に発生した右腎動脈瘤により高血圧が再発した1例を経験したので報告する.症例は34歳.女性.20歳時,右腎動脈狭窄による高血圧症で右腎血行再建術施行.術後14年,血圧の再上昇がみられ右腎動脈瘤の診断で昭和61年11月15日入院.入院時血圧は180/120mmHg(右上肢),172/130mmHg(左上肢),血漿レニン活性値は3.5ng/ml/hr.腎静脈レニン活性値は右側で6.2ng/ml/hr.左側で4.7ng/ml/hr.右/左腎静脈レニン活性値比は1.32であった.動脈瘤は17×35mmの楕円形,右腎/左腎長径比は0.72であった.手術は腎摘出術を施行した.術後の血圧は正常化し血漿レニン活性値は0.4ng/ml/hrと改善した.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top