日本臨床外科医学会雑誌
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膵頭十二指腸切除術後合併症の検討
高島 健平田 公一及川 郁雄古畑 智久服部 直樹白松 幸爾早坂 滉
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1991 年 52 巻 1 号 p. 65-69

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抄録
過去10年間に経験した膵頭十二指腸切除術(以下PD) 53例の術後合併症について検討した.術後合併症発生率は55%と高率であった.局所的合併症発生率は55%で,縫合不全と出血が多く,全身的合併症発生率は34%であり,局所的合併症例との重複が多かった.手術直接死亡率は1.9%であり,縫合不全あるいは出血を契機として,敗血症, DICを生じ,さらに多臓器不全(以下MOF)へ移行する傾向を認めた.これらの検討から,手術直接成績を大きく左右するのは縫合不全と術後出血であり,その両者への十分な注意が必要であると思われた.
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