日本臨床外科医学会雑誌
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多発早期胃癌(二重複癌)の臨床病理学的,免疫組織学的検討
孝冨士 喜久生橋本 謙田中 裕穂梅津 徹岩井 壽生安元 健二武田 仁良掛川 暉夫
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1991 年 52 巻 2 号 p. 299-304

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抄録
多発早期胃癌38例76病巣について,臨床病理学的に検討するとともに,病巣におけるCEA, CA19-9の局在について酵素抗体法を用いて検討を行った.多発早期胃癌(二重複癌)の頻度は切除胃癌総数の5.5%で,高齢者の男性に多く, A, M領域に好発していた.肉眼型は,主病巣は隆起型,副病巣は陥凹型が多く,組織型は,両病巣とも高分化型管状腺癌が多かった.副病巣38病巣中12病巣(31.6%)は主病巣より口側の領域に占居し,また,副病巣中微小癌が11病巣みられたことから,副病巣を残胃に残さないように切除線の決定には注意を要する.病巣内の腫瘍マーカーの検索では,未分化型癌は,全病巣でCEA, CA19-9とも陽性であった.一方,分化型癌のCEA陽性率は,主病巣80.6%,副病巣56.3%, CA19-9陽性率は,主病巣64.5%,副病巣50.5%で,両腫瘍マーカーとも主病巣の方が陽性率が高く,腫瘍マーカー産生面では両病巣が異なった分化をしている可能性が示唆された.
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