日本臨床外科医学会雑誌
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胃癌における術前血清alpha fetoprotein (AFP)測定の意義
術後肝転移再発の予測因子として
片野 光男中村 光成溝口 哲郎山本 裕士久次 武晴中城 博見原 速
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1991 年 52 巻 2 号 p. 294-298

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抄録
術前血清alpha-fetoprotein (AFP)の測定が行われた進行胃癌74例を対象に,術後の肝再発の危険性を予測する指標としての血清AFPの意義を検討した. AFP高値例(>20ng/ml)は8例であり,うち4例(50%)に術前肝転移を認めた.一方AFP低値例(<20ng/ml) 66例では5例(7.6%)に術前肝転移が認められた. AFP高値例のうち4例に治癒切除が施行されたが,うち3例(75%)は術後3~8カ月目(平均6.3カ月)に肝再発を来した. AFP低値例で治癒切除術の行われた49例では5例(10.2%)に術後4~27カ月目(平均19.2カ月)に肝再発が認められた.
即ち, AFP高値例は低値例に比べ,術後の肝再発の危険性が高く(p<0.01),かつ肝転移再発発生までの期間が短い(p<0.05)ことが示唆された.免疫染色の結果からAFP高値例と低値例での肝転移には転移機序に差のあることが予測された.
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