日本臨床外科医学会雑誌
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急性腹症として発症した大腸癌
末永 豊邦年永 隆一馬場 国昭森藤 秀美野口 眞今村 博草野 力榎本 稔美長谷 茂也
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キーワード: 大腸癌, イレウス, 大腸穿孔
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1991 年 52 巻 2 号 p. 309-313

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抄録
大腸癌症例の中には急性腹症の状態で発症し発見されるものがある.自験では最近4年2カ月間に大腸癌50例中19例(38%)が急性腹症として入院した.急性腹症の術前診断はイレウス14例,穿孔性腹膜炎3例,急性虫垂炎2例であった.穿孔性腹膜炎と急性虫垂炎の5例は大腸穿孔によるものであった. 70歳以上の高齢者の大腸癌ではイレウス症状で発見されるものが多かった.イレウス症例の切除率は78.6%,大腸穿孔例では100%,直死例はなかった.急性腹症を呈した大腸癌では1期手術より2期分割手術の方が安全な術式であると考えられた.入院時大腸癌と診断された症例と急性腹症として入院した症例の5生率は前者が65%,後者が33.8%であった.これは治癒切除率(前者77%,後者53%)の差によるものであろう.
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