日本臨床外科医学会雑誌
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肝切除後の高アミラーゼ血症についての検討
赤木 由人山下 裕一黒肱 敏彦君付 博平城 守磯本 浩晴掛川 暉夫
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1991 年 52 巻 2 号 p. 314-318

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抄録
肝切除後に発生機序が不明の高アミラーゼ血症を認めることがある.その発生要因を肝切除24例について検討した.これらの症例において原疾患,肝硬変の有無,手術術式,手術時間,術中出血量と高アミラーゼ血症との関係を検討した.高アミラーゼ血症とは,アミラーゼ分画のいずれかが1回以上正常値を超え,かつ術前値の1.5倍を超えたものとした.
その結果,肝切除後に高アミラーゼ血症をきたしたのは24例中15例(63%)で,そのピークは術後10日から12日の間に認められた.しかし,臨床症状を呈した例は3例のみであった.手術時間と術式との間には関連性はなかった.肝硬変を伴った症例,出血量の多かった症例では,術後アミラーゼ値が上昇する傾向にあった.
以上のように,肝切除後の高アミラーゼ血症の頻度は比較的高いものと考えられた.しかし,臨床症状を呈することは稀であり,厳重な観察のもとに症状が出現したら早期に対処することが重要と考えられた.
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