日本臨床外科医学会雑誌
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脾原発悪性リンパ腫の1例
井口 智雄成田 洋吉富 裕久羽藤 誠記河辺 章夫Yoshitaro SUZUKI伊藤 昭敏栗木 潤介由良 二郎
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キーワード: 脾原発悪性リンパ腫
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1991 年 52 巻 4 号 p. 892-896

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抄録

脾原発悪性リンパ腫の1例を経験した.症例は72歳男性,食思不振を主訴とし,腹部スクリーニングCTにて脾腫瘍を認めた.種々の画像診断によっても確定診断が得られず,開腹術施行,術中所見より悪性腫瘍を強く疑い,脾門部及び脾動脈周囲リンパ節の郭清を含む脾摘膵尾部合併切除術を行った.病理組織学的所見では,悪性リンパ腫でLSG分類のDiffuse large cell typeと確定診断され,脾門部リンパ節にも同様の腫瘍細胞が認められた.進行度はAhmann分類のstage 2にあたると考えられた.脾原発悪性リンパ腫の本邦報告例は,検索し得た限りでは103例であったが,いかなる基準で脾原発と診断したか明記していない報告が多く,今回われわれはSpierらの診断基準を満たす61例につき統計学的検討を加えた.

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