日本臨床外科医学会雑誌
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肝内胆管にまで狭窄を呈したMirizzi症候群の1手術例
延澤 進青井 泰平松本 日洋青木 文夫鹿野 信吾片柳 照雄新美 範之工藤 功男昌子 正実
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1992 年 53 巻 10 号 p. 2481-2485

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抄録
肝内胆管まで狭窄を呈した63歳のMirizzi症候群の1手術例を報告した.初診時,総ビリルビン12.1mg/dlの黄疸と著明な胆道酵素の上昇を認め,超音波検査とCTで,胆石を伴う胆嚢頸部の壁肥厚とそれに連なる肝内側区域の充実性腫瘤を認め,逆行性胆管造影で総肝管に5cm長にわたる両側性の狭窄像を認めた.抗生剤投与等の治療で黄疸,胆道酵素の上昇は改善したが,逆行性胆管造影の再検では総肝管の狭窄は進行し糸状となり,その狭窄は肝内胆管にまで波及していた.血管造影でも胆嚢周囲の肝実質に造影剤の濃染像を認め,術前診断は胆嚢癌の肝門部浸潤としたが,開腹所見では肝浸潤の所見なく,手術診断Mirizzi症候群のもとに,肝部分切除を伴う,胆嚢,総胆肝管切除,肝内胆管形成,胆道再建術を施行した.病理組織の結果で,胆嚢及び胆道の慢性炎症性変化による病態と判明し,悪性像は認められなかった.
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