日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
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診断および治療に難渋したアメーバ性肝膿瘍の1例
菅野 浩樹金沢 匡司野水 整八巻 義雄小山 善久井上 典夫星野 正美土屋 敦雄阿部 力哉
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1992 年 53 巻 10 号 p. 2475-2480

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抄録
症例は58歳男性で,全身倦怠感,発熱を主訴に某院を受診した.海外渡航歴はなかった. CT検査で肝右葉に低吸収域を認めたため,肝膿瘍の診断で抗生剤投与による治療を受けたが改善せず,膿瘍の増大を認めたため当科を紹介され入院した.入院時,白血球の上昇と肝機能障害を認め, CTにて肝右葉に巨大な低吸収域を認めた.膿瘍ドレナージ,抗生剤の投与による治療を開始したが,改善は認められなかった.血清アメーバ抗体が強陽性を示したため,アメーバ性肝膿瘍と診断し抗アメーバ剤の投与を開始した.しかし,著明な黄疸とARDSをきたし,第39病日に肝不全,呼吸不全にて死亡した.以上,国内感染例と考えられ激症化したアメーバ性肝膿瘍を経験し,早期診断と合併症の防止が重要であることを,若干の文献的考察を加え報告した.
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© 日本臨床外科学会
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