日本臨床外科医学会雑誌
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軽度の挫傷が誘因となった稀な上肢のvenous gangreneの1症例
矢埜 正実石井 良知中村 義人和気 典雄畑中 義美澤田 孝峰
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キーワード: 静脈血栓症
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1992 年 53 巻 11 号 p. 2785-2789

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抄録
四肢の静脈血栓による血行障害から壊疽にいたるVenous gangreneは稀な疾患である.その前段階であるPhlegmasia cerulea dolensを含めても,報告は少なく,またそのほとんどが下肢に関するものである.些細な外傷(手背の打撲)後,手・前腕がVenous gangreneに陥り,ショック状態を呈した56歳の極めて珍しい症例を経験した.受傷36時間後には手背の皮静脈に血栓が形成されチアノーゼを呈し,表皮は剥離し,あたかも熱傷のように血漿成分が漏出した.ショックは経時的に進行し,乏尿になった.全身状態がわるいので血管造影は侵襲の少ないIVDSAを用いた.手の血行が無いことを確認後,上腕で切断した.手術後は急性腎不全,呼吸不全, DIC等の多臓器不全に陥ったが幸いにも救命できた.
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