抄録
食道癌手術術後に合成カテコラミン製剤を使用し,術後の呼吸・循環動態,肺機能,腎機能を測定し,その有用性を検討した.用法は術後4日までDobutamine (DOB), Dopamine (DOP)をそれぞれ6μg/kg/minを,また両剤各を3μg/kg/minを混合投与した群(MIX)を設定した.術後早期の循環動態は,心不全型を呈し,術翌日以降は, hyperdynamicな型を示し,循環動態・肺機能は術翌々日まではDOBが最も優れていた.また,腎機能に関しても, DOBが他の2群に比してやや優れており,術翌々日以降は3群ともほぼ同様の結果であった.水分出納は3群ともほぼ同様の経過を示した. DopamineあるいはDobutamineの使用は食道癌術後の心収縮力増加・組織灌流圧の維持のため,術直後ではDobutamineが有用であり,術翌々日以降は3群とも有用であるが,それぞれの特徴を生かし病態に合わせた投与方法が選択されるべきであると考えられた.